なぜ〇〇系が優遇される?YouTube 新機能「コース」の裏にある狙いと活用方法

なぜ〇〇系が優遇される?YouTube 新機能「コース」の裏にある狙いと活用方法
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2026年07月30日 in YouTube

今 YouTube が重要視するジャンルやコンテンツ、何か知っていますか?

YouTube は2024年頃からテストしてきた新機能「コース機能」をようやく本格導入しました。YouTube は今、学びを提供するクリエイターをプッシュしています。つまり「教育系コンテンツ」に注目しています。

「自分は解説系じゃないから関係ない」と思った方、決してそんなことはありません。どのジャンルであっても、この教育トレンドとコース機能を使いこなせば、チャンネルの成長スピードも、そして「収益力」も拡大させることが可能です。

今回は、YouTube が教育系を推し進める「3つの重要な背景」、新機能「コース」の概要と設定方法、収益を増加させる使い方、そしてジャンルを問わないコースの具体的な作成案までご紹介いたします。

なぜ「教育系」なのか?YouTubeが推す3つの重要な背景

なぜ今、YouTube が教育系に力を入れていると思いますか?プラットフォームとしての「3つの重要な背景」があると考えています。

生成 AI へのユーザー流出を防ぐため

調べ物をする際、YouTube で検索する代わりに、ChatGPT や Gemini、Claude といった AI に直接質問して解決する人が急増しています。Google や YouTube が誇ってきた「検索して課題を解決する場所」というポジションが、いま AI に奪われつつあります。

ネットの文字情報をコピペしただけの動画は、すべて AI が代替できるようになります。だからこそ YouTube は、人間の実体験やストーリーが含まれ、誰が責任を持って発信しているかが分かる「オリジナルの教育系コンテンツ」を推しています。

高い購買意欲を持つユーザーを維持し、広告主を守るため

高い購買意欲を持つユーザーを維持し、広告主を守るため

YouTube のビジネスモデルの主軸は広告収入です。エンタメ系は再生数こそ稼げますが、視聴者はただ楽しんでいるだけで、購買意欲は低めです。

一方、教育系を観る視聴者は「深い悩みや問題を解決したい」という明確な目的を持っています。そのため購買意欲が極めて高く、大手企業など「高単価な広告を出すブランド」が最もアプローチしたいターゲット層になります。広告主にとって魅力的な場所であり続けるために、こうした質の高い視聴者が集まる教育系コンテンツを歓迎するのは理にかなっています。

AI で作られたゴミ動画の排除

AI の普及により、ネットの情報をロボットの声とフリー映像だけで自動生成した、低クオリティな大量生産された動画、いわゆる「AI スロップ」が溢れかえっています。
YouTube のAI スロップ動画

最近の YouTube はこれを厳しく取り締まっていて、大量のチャンネルを停止・収益化剥奪しています。この大掃除の結果、視聴者に本物の価値や信頼できる情報を届ける、ちゃんとしたチャンネルの価値が相対的に急上昇しています。

YouTube は「世界最大の教室」として位置づけ、クリエイター、教師、生徒のサポートも行っています。例えば、今回ご紹介するコース以外にも、クイズ機能を実装したり、教育機関向けプレイヤー[Player for Education]を提供しています。Player for Education ではクリエイターにも収益が還元される仕組みです。

これだけ追い風が吹いているからこそ、今、教育要素を取り入れる価値があります。

ここで「自分は教育的なジャンルじゃないし、専門家でもないから無理だ」と諦める必要はありません。YouTube における「教育」とは、学校のような学習コンテンツだけではありません。視聴者の悩みを解決し、新しい知識を提供する内容は、すべて立派な教育コンテンツです。ゲーム実況チャンネルでも、Vlog チャンネルでも教育的なコンテンツの作成ができます。

新機能「コース」とは?再生リストとの違い

そんな教育コンテンツを強力にサポートするために登場したのが、YouTube の「コース機能」です。YouTube Studio のコンテンツ内にも[コース]というタブが追加されています。

コースは再生リストの一種で、コース特集の機能が追加されたものです。普通の再生リストとの主な違いは大きく3つあります。

1つ目は「専用 UI(見た目)」です。

動画を開くと学習の進捗バーが表示され、どこまで見終えたかがわかるようになっています。
  YouTube コース専用 UI

最後まで修了すると「修了バッジ」がもらえるとヘルプページには記載されていますが、現時点で私は確認ができませんでした。今後追加されるのかもしれませんが、確認できた方がいましたらコメントで教えてください!ゲーム感覚で視聴者の学ぶモチモチベーションを刺激でき、チャンネル全体の視聴回数を増やせるのがポイントですね。

2つ目は「PDF ファイル(補助教材)の添付」です。

コース内の動画には、学習をサポートする PDF ファイルを5つまで直接添付できます。ファイルを添付した動画では、ファイルにアクセスするための項目が表示されます。

3つ目は「専用のアナリティクス」です。

YouTube Studio でコース単体の分析が可能になり、コースのパフォーマンスの概要、視聴者のユーザー属性、視聴者維持に関する指標などを確認できます。

コースの設定条件とコース作成方法

このコース機能の利用条件と設定方法を解説します。

コースの設定条件

まず利用条件ですが、チャンネルが「上級者向け機能」を利用できる状態である必要があります。その上で、以下の3つの条件を満たします。

  • 視聴者に何かを「教える」目的で設計されていること
  • 最低「3本以上」の動画が含まれていること(年齢制限のない動画限定)
  • 自分のチャンネルの動画のみで構成されていること

コース作成方法

コースの設定は2つの方法があります。

既存の再生リストをコースに変換する方法

YouTube Studio を開き、すでに作成済みの通常の再生リストをコースに設定することも可能です。再生リストの一覧ページで、コースに設定したい再生リストの[︙]から[コースとして設定]を選択するだけです。
既存の再生リストをコースに変換する

新規でコースを作成する方法

YouTube Studio 画面右上の[作成]ボタンから[新しいコース]を選択し、タイトルや説明を記入して、コースに入れたい動画を追加するだけです。
新規でコースを作成する方法

PDF ファイル添付方法

学習用 PDF を追加するのも簡単です。

  1. 事前に、YouTube チャンネルと同じメールアドレスで管理している Google ドライブに PDF ファイルを追加しておきます。
  2. さらに、視聴者が PDF ファイルにアクセスできるように、Google ドライブの共有権限を[リンクを知っている全員]に設定しておく必要があります。
  3. YouTube Studio の動画詳細ページからサイドパネルで、[ファイル]>[Google ドライブからファイルを追加]から PDF ファイルを選択するだけです。
    PDF ファイル添付

収益につなげるコース活用方法

ここで重要な情報があります。実は、以前まで「コースを有料で販売する機能」がありましたが現在利用できなくなっています。

この機能は、専門の学習プラットフォームのように、視聴者が「1回限りの支払い」でコース全体を購入できるというものでした。購入されたコースは視聴者が追加費用なしで、いつでも体系的に学べるため、クリエイターの強力なマネタイズ手段になるはずでした。

しかし現在、この買い切り型の有料販売できる機能は終了しています。

「じゃあ、もうコース機能でマネタイズはできないのか」というと、そうではありません。現状の仕様を賢く使って、むしろ「チャンネルメンバーシップの加入者を倍増させる手段」があります。

その方法とは、「コースの一部を無料公開し、応用編をメンバーシップ限定動画としてコースに配置しておく」という設計です。
コースの一部を無料公開し、応用編をメンバーシップ限定動画としてコースに配置しておく

例えば、全8回の「動画編集マスターコース」を作ったとします。第1回から第3回までの基礎編は「全員無料」で公開します。そして、より実践的なテクニックを扱う第4回以降を「メンバーシップ限定動画」として設定し、同じコース内に並べておきます。

こうすることで、無料枠をすべて見終えた視聴者は「すごく分かりやすいから、このまま続きも学びたい!」と最も意欲が高まった状態で、自然にメンバーシップ加入ページへと誘導されます。

単に動画一覧に限定動画を並べておくよりも、体系的な「ステップ」として提示されている方が、視聴者の目に留まりやすく、加入率は圧倒的に高くなります。

ゲーム・エンタメでもできる!具体的なコース作成案

メンバーシップを活用した導線設計が分かったところで、今あなたが運営しているジャンルが、ゲームやエンタメであっても、簡単にコースを作ることができます。具体的な3つのパターンを紹介します。

1つ目は、ゲーム実況やゲーム攻略チャンネルのパターンです。

例えば、「FPS で撃ち合いに勝つためのエイム基礎講座」というコースを作成します。

  • 第1回:勝率が変わる!プロが推奨する感度とデバイス設定
  • 第2回:毎日5分で上達するエイム練習ルーティン
  • 第3回:実践で撃ち負けないための立ち回りと視線誘導

さらに、PDF で「毎日のエイム練習チェックシート」を添付すれば、視聴者のモチベーションを上げることができます。

2つ目は、日常 Vlog やエンタメ系チャンネルのパターンです。

例えば、「未経験から始める!スマホ1台で映える Vlog の撮り方・編集講座」というコースを作成します。

  • 第1回:画質が向上するスマホカメラの基本設定とアングル3選
  • 第2回:無料アプリを使った3分カット・テロップ編集術
  • 第3回:視聴者を飽きさせない BGM の選び方と音量バランス

あなたにとっては当たり前の「動画を撮影して編集する」という日常のスキルそのものが、誰かにとっては本当に必要としていることもあります。

3つ目は、ペットやライフスタイル系チャンネルのパターンです。

例えば、「愛犬と長く幸せに暮らすための、失敗しないしつけと健康管理コース」です。

  • 第1回:無駄吠えをなくす正しいお留守番トレーニング
  • 第2回:自宅で嫌がられずにできる爪切りとブラッシングのコツ
  • 第3回:愛犬を病気から守るフード選びと食事のルール

このように、あなたの持つ実体験やノウハウをステップ・バイ・ステップで動画にしていくだけで、今すぐ立派なコース用のコンテンツが誕生します。

まとめ

YouTube が力を入れている教育系コンテンツと、それをサポートする「コース機能」、チャンネルに取り入れたいと思いましたか?有料コースの販売機能はありませんが、メンバーシップと組み合わせることでクリエイターにはサブスク収益をもたらしてくれます。

まずは、あなたのチャンネル内の動画に「お悩み解決系」「ノウハウ系」のものがあれば、それらをまとめて「コース」に設定することから始めてみてください。

執筆者情報
2004年から当サイト「iscle」を始めた管理者。Google 公認のプロダクトエキスパートとして、YouTube、Google AdSense、Play の公式コミュニティで活動中。スマホアプリ、Web ツールの使い方や最新情報を中心に発信しています。