【速報】YouTube 新しい収益化手段追加!『Player for Education』とは?

YouTube 新しい収益化手段追加!『Player for Education』とは?
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2025年06月10日 in YouTube

YouTube に新しい収益化手段が追加されました!今回は、その新たに追加された収益化手段『Player for Education』について分かりやすくご紹介いたします。

6月7日あたりから YouTube Studio でも案内が表示されているので気付いた方もいるかもしれませんが、[収益化]の画面で[Player for Education]というタブが追加されました。

手続きを行わなければ、この新しい収益化手段を利用できません。この手続きの前に、これがどのようなものかご紹介いたします。
※動画でも分かりやすく紹介しています。

『Player for Education』とは?

では早速、『Player for Education』とは一体何なのか、というお話から始めます。これは、一言で言うと『教育の場で使われる、広告なしの特別な YouTube プレーヤー』のことです。
広告なしの特別な YouTube プレーヤー

例えば、学校の先生が授業であなたの動画を使ったり、オンライン学習サイトが教材として動画を埋め込んだりする場面を想像してください。そういった学習の場で、途中で広告が流れると集中力が途切れてしまいますよね。

この『Player for Education』は、そうした教育の場に限定して、広告を一切表示させずに動画を再生できる特別なプレーヤーです。

クリエイターの収益が発生しないの?

『え、じゃあ広告が出ないなら、収益はゼロになっちゃうの?』

そう思いますよね。クリエイターにとって収益は活動を続ける上で本当に大切ですから、当然の疑問です。でも、ご安心ください。ここが今回の最大のポイントです。

この『Player for Education』経由で再生された場合、広告が表示されない代わりに、動画の総再生時間に基づいて収益をクリエイターに分配するというものです。

動画の総再生時間に基づいて収益をクリエイターに分配

『Player for Education』自体は2022年にリリースの告知があったプロダクトだったのですが、ついに、クリエイターにしっかりと還元してくれる未来がやって来たというわけです。

つまり、生徒たちがあなたの動画で熱心に学習してくれればくれるほど、その時間がしっかりと収益としてカウントされる、というクリエイターにとって本当に素晴らしい仕組みになっています。

YouTube Premium の収益分配の仕組みに似ている

感の鋭い方だと、既にある収益配分の仕組みと似ていることに気づいたかもしれません。これって、実は YouTube Premium の収益分配の仕組みとすごく似ています。

皆さんもご存知の通り YouTube Premium は、Premium 会員の月額料金の一部が、皆さんの動画が再生された時間に応じて分配されますよね。広告が表示されない代わりに『視聴時間』そのものが価値となり、収益に繋がるわけです。

今回の『Player for Education』も、全く同じ考え方です。

教育の場では広告は表示されませんが、その代わりに、生徒さんたちが皆さんの動画で学習してくれた『時間』が、きちんと収益として皆さんに還元されます。

まさに、広告に頼るのではなく、皆さんが情熱を込めて作るコンテンツの教育的な価値そのものが、直接評価され収益になる。そんな新しい時代の収益化モデルと言えるのではないでしょうか? 自分のコンテンツ作りのモチベーションが、さらに上がりそうですよね。

クリエイターがやるべき設定・申請

『じゃあ、何か特別な申請が必要なの?』と気になる方もいるかもしれません。

1.  YouTube パートナープログラムに参加

まず対象となるのは YouTube パートナープログラムに参加しているチャンネルです。つまり収益化できているチャンネルが『Player for Education』の収益を分配してもらうことができます。

2. 利用規約に同意して有効にする

また、YouTube Studio [収益化]の画面に追加された[Player for Education]から申請を行う必要があります。

  1. [オンにする]ボタンを選択してます。
    オンにする
  2. 規約をご確認いただいて問題なければ「Player for Education の利用規約に同意します」にチェックを入れて[同意する]ボタンを選択してください。
    Player for Education の利用規約に同意

これだけです。

対象チャンネルは「あなたは YouTube Player for Education で収益化するための要件を満たしています」というメールが届く可能性があります。また、徐々に機能が展開されていくため、表示されなくても焦らずお待ちください。

3. 埋め込みを許可する

もう一つ大事なのは、ご自身の動画設定で『埋め込みを許可する』にチェックを入れておくことです。これは、教育ツール内で動画を埋め込むことで再生される場面があるためです。
『埋め込みを許可する』にチェック

そうすれば、教育機関のパートナーがあなたの動画を教材として見つけた際に、この『Player for Education』を通じて利用してくれる可能性があります。

自分の知らないところで、自分の動画が誰かの学びに貢献し、それが収益にも繋がっている。想像するだけで、ちょっとワクワクしませんか。

実は私にも小学生の息子がいるのですが、もし自分の息子やその友達が、私の作った動画で何かを学んでくれたら、クリエイターとして、そして親として、これ以上嬉しいことはないな、なんて思ったりします。

どんな動画が使われやすいの?

ただ、がっかりさせてしまったら申し訳ないのですが、これは正直に言わせてください。この収益化手段をオンにしたからと言って、多くのチャンネルでは収益が激増することは無いと思います。 大前提として「教育機関・教育現場で使われるような動画」でなければならないためです。

でも、見方を変えれば、これは自分のチャンネルの新しい可能性を探るチャンスかもしれません。では、具体的にどんな動画が教育機関で使われやすいのかを見ていきましょう。 いくつか例を挙げてみます。例えば、次のようなコンテンツが非常にニーズが高いと思います。

  • 理科の授業で使えるような科学実験を紹介する動画。
  • 物理の法則をアニメーションで分かりやすく解説する動画。
  • 歴史上の出来事の背景を、深く掘り下げて解説する動画。
  • 英語のネイティブな発音が学べるレッスン動画
  • プログラミングのチュートリアル動画 など

このように、特定の分野を専門的に、そして分かりやすく解説している動画は、先生たちにとって素晴らしい教材になり得ます。

『信頼性』が重要になる

そして、もう一つ非常に大切なポイントがあります。教育現場で使われるということは、皆さんの動画が『教科書』の一部になるということです。これは、とても名誉なことであると同時に、大きな責任も伴います。

だからこそ、これまで以上に情報の正確さ、つまり『信頼性』や『信憑性』が極めて重要になります。

曖昧な情報や、個人的な意見に偏った内容ではなく、しっかりとしたリサーチに基づいた、誰もが納得できるコンテンツを作ること。それが、結果的に多くの教育現場で選ばれ、信頼されるための鍵と言えますね。

自分のコンテンツが、未来を担う誰かの学習の役に立つ。そして、それが活動を支える収益にもなる。このポジティブなサイクルを、ぜひ活用していきましょう。そのためにも、日々のコンテンツ作りにおいて、信頼できる情報源を基に、正確で分かりやすい動画を届けることを、改めて意識してみてはいかがでしょうか。

執筆者情報
2004年から当サイト「iscle」を始めた管理者。Google 公認のプロダクトエキスパートとして、YouTube、Google AdSense、Play の公式コミュニティで活動中。スマホアプリ、Web ツールの使い方や最新情報を中心に発信しています。