スマホのネットが遅い!簡単操作で見違えるほど通信速度を速くする方法

「動画が止まる…」「ページが開かない…」「アプリが読み込まない…」 スマホのネットが遅くて今まさに困っているのであれば、その原因、実は1つではありません。
「スマホ本体の設定?」「部屋の Wi-Fi 環境?」「それとも契約プランの見落とし?」 ネットが遅くなる原因は非常に多く、見直すべき点はあなたが思っている以上にたくさんあります。
目次
現状診断「本当に遅い?」
最初のステップです。何かを直そうとする前に、まず確認すべき点。それは、そもそも「本当に遅いのか」という点です。遅いという感覚は主観的であることも多いためです。まずは客観的なデータで事実を確認するところから始めます。
Google で「通信速度」と検索していただくと、通信速度を計測できるサービスがいくつか表示されます。どれでも構いませんので、計測を行ってみてください。
速度テストを行うと、主に3つの数字が表示されます。「ダウンロード」は動画視聴や Web サイト閲覧時の速さ、「アップロード」は SNS への写真投稿時などの速さです。そして「ピング(Ping)」は接続の応答速度を示します。これは特にオンラインゲームなどでは非常に重要になります。

この目安は興味深く、ご自身の速度テストの結果と比較するための、はっきりとした目安が記載されています。例えば Web サイトの閲覧程度であれば 10Mbps もあれば十分です。ご自身の数値がこの目安と比べてどうなのか、ここで一度確認してみてください。
すぐ効く応急処置と確認すべきこと
ここからは、最も簡単で、かつ効果的な応急処置に移ります。ネットが遅いと感じたら、まず最初にお試しいただきたいステップです。
再起動と機内モード
困ったら再起動。これは基本的な対処法です。再起動をすると、スマホの一時的な記憶(メモリ)に溜まっている不要なデータが消去され、ソフトウェアが原因の一時的な不具合の多くは、これで解決してしまうのです。

再起動が面倒だという方は「機内モード」のオン・オフを行ってみてください。これを行うだけで、スマホは強制的に基地局との接続を一度切り、新しくクリーンな接続を探しに行きます。再起動よりもずっと早いため、まずは機内モードのオン・オフを行いましょう。
キャリアの障害確認
ご自身のスマホを操作する前に。そもそも問題がご自身のスマホや環境にあるのかを確認しましょう。

契約しているキャリア(通信事業者)の公式サイトで障害情報を確認したり、X(旧 Twitter)で「キャリア名+通信障害」と検索してみてください。もし障害が発生している場合、残念ながら私たちにできることは待つことだけです。
Web サイトやアプリ側の問題
また、通信速度が遅いと感じた時、必ずしもご自身のスマホやネット環境に問題があるとは限りません。例えば、接続している特定の Web サイトやアプリ側のサーバーにアクセスが集中していたり、サーバー自体に問題が発生していたりして、読み込み速度が遅くなっている可能性もあります。
他の Web サイトやアプリにもアクセスしていただき、通信速度が遅くないかを確認してみてください。特定の Web サイトやアプリだけ遅いのであれば、あなたの問題ではありません。
通信プランの制限
ある日突然、信じられないほど速度が遅くなったら。このような時に最もよくある原因は、月々のデータ通信量を使い切り、キャリアから速度制限をかけられている状態、いわゆる「ギガ死」の状態です。
制限がかかっているかは契約しているキャリアのアプリ等で確認ができると思います。もし制限がかかっているのであれば、追加で通信量(ギガ)を購入するか、プランを上げる必要があります。
スマホ内部の大掃除
さて、簡単な応急処置で解決しなかった場合、問題はスマホの内部にあるかもしれません。次は、スマホの中を徹底的に整理整頓していきます。
ストレージの確保
ストレージ(保存領域)の空き容量がほとんどないスマホは、システム全体の動作がどうしても遅くなってしまいます。

ストレージ容量そのものがインターネットの速度に直接影響を与えているわけではありませんが、このスマホ自体の動作の重さが、結果的に「インターネットが遅い」と感じる原因になっていることも少なくありません。
空き容量を確保するための最も効果的な方法はシンプルです。まず、使用していないアプリ、特に容量の大きいゲームアプリなどを削除します。それから、不要な写真や動画を消去します。または、Google クラウド や Google Photos のようなクラウドサービスにデータを移行します。これだけでも、スマホのパフォーマンスは劇的に改善することがあります。
キャッシュ削除
次にキャッシュの削除です。キャッシュとは、アプリや Web サイトを次回すばやく開くために、一時的に保存しておくデータのことです。これが溜まりすぎると、かえって動作を遅くする原因になることがあります。
これが iPhone と Android では大きく異なります。
Android はアプリごとにキャッシュを簡単に削除できるため、管理がしやすいです。
ただし、絶対に「ストレージを消去」や「データを削除」は選ばないようご注意ください。アプリ内に保存されているデータがすべて消去されてしまいます。
一方で iPhone は、Safari の履歴は消去できますが、多くのアプリはキャッシュを個別に消せず、アプリ自体をアンインストールして再インストールする必要があります。
Wi-Fi環境の最適化(ルーターと周波数帯)
では次に、もしモバイルデータ通信ではなく Wi-Fi が遅いと感じる場合の対処方法をご紹介していきます。
Wi-Fi の設置場所

Wi-Fi の電波は目に見えませんが、物理的な特性を持っています。そのため、Wi-Fi ルーターは家の中心付近で、床から 1〜2m 程度の高さにある、開けた場所に設置するのが理想的です。壁や大きな家具、特に電子レンジや金属製の棚などは電波を妨害するため、なるべく避けましょう。
Wi-Fi の周波数帯
スマホで Wi-Fi に接続するときに、ネットワーク名に「a」や「g」と表示されていたり、または「2G」や「5G」と表示されていないでしょうか?これは Wi-Fi の周波数帯を示しているのですが、どれに接続するかでネットの通信速度も変わります。

Wi-Fi の周波数帯を理解するために、分かりやすい例えがあります。「5GHz」や「a」が付いているものはスポーツカー。非常に高速ですが、障害物のない綺麗な道(通信環境)が必要です。「2.4GHz」や「g」はトラック。速度は劣りますが、障害物に強いです。

重要なポイントは次の通りです。ルーターのすぐ近くにいて、とにかく速度が必要な場合は、スポーツカーである「5GHz」に接続します。逆に、ルーターから遠い部屋や、壁などの障害物がある場所では、障害物に強いトラック、つまり「2.4GHz」に切り替えます。状況に応じて切り替えてみましょう。
ルーターの再起動
スマホ本体だけでなく、Wi-Fi ルーター自体も小型のコンピューターです。長時間連続で稼働していると、熱がこもったり、一時的な不具合が内部のメモリに蓄積されたりして、動作が不安定になることがあります。
もし Wi-Fi 接続だけが不安定な場合は、一度ルーターの電源アダプターをコンセントから抜き、1分ほど待ってから再度差し込んでみてください。ルーターが再起動してリフレッシュされることで、通信速度や接続の安定性が改善する場合があります。
Wi-Fi ルーターの買い替え
もしご自宅の Wi-Fi ルーターを5年以上など、長期間使用している場合、ルーター自体が古くなっていることが原因かもしれません(ルーターの寿命は4〜5年と言われています)。古いルーターは最新の通信規格に対応しておらず、スマホ側の性能を最大限に引き出せないことがあります。

現在は Wi-Fi 7 という最新の規格に対応したルーターも販売されるようになりました。新しいルーターに買い替えるだけで、通信速度が劇的に改善するケースも多いため、古いルーターをご使用の場合は買い替えも検討してみましょう。
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Wi-Fi の速度を高速化させたい方は、もっと詳細内容をご紹介している 遅い Wi-Fi 速度を上げる13の改善方法!これで快適なネット環境に のページをご覧ください。
スマホのインターネット通信速度が遅くなる原因は一つとは限りません。「通信キャリアの障害」や「データ通信量の制限」といった契約・サービス側の問題から、「ストレージ容量の不足」や「キャッシュの蓄積」といったスマホ内部の問題、さらには「Wi-Fi ルーターの設置場所」や「周波数帯の選択ミス」、「ルーター本体の老朽化」といった Wi-Fi 環境の問題まで、非常に多岐にわたります。
もし「ネットが遅い」と感じたら、まずは「再起動」や「機内モードのオンオフ」といった簡単な応急処置から試してみてください。


