YouTubeの収益が増やせる新機能「チャンネル分析情報の共有」解説

こんにちは、竹中です。 YouTube から「[ご対応のお願い] 広告主やブランドにアピールして収益の機会を広げましょう」というメールが届いていませんか?先週辺りから収益化しているチャンネルに届き始めています。
今回は、YouTube の新機能、「チャンネル分析情報の共有」が具体的に何を意味していて、どんなメリットや注意点があるのかも含め、分かりやすくご紹介いたします。なお、動画でもご紹介しております。
新機能「チャンネル分析情報の共有」とは?
まず、基本的なところからご説明します。この機能は、あなたのチャンネルの分析データ、例えばどんな人が見ているか、どれぐらい見られているかといった情報を、広告を出したい企業やブランド、そういった潜在的なパートナーと共有できるようにする機能です。
目的はシンプルで、企業が「このチャンネルは魅力的だ」「このクリエイターと提携したい」と考えやすくすることにあります。結果的に、広告収入や企業案件が増えたり、ショッピング機能からの収益がアップしたり、といったことが期待できるわけです。
ただ大事なのは、これが完全にオプトイン、つまり選択制だということです。初期設定ではオフになっていて、オンにするかどうかはあなた次第となります。
この機能は、単に新しい便利機能が追加された、というだけのものではありません。近年、企業とクリエイターが直接手を組んでビジネスを行うという、大きな時代の流れがあります。この機能は、まさにその流れを後押しするものと言えます。
企業側も効果的なパートナーを探していますが、これまでは客観的なデータが少なく、判断が難しい面がありました。この機能は、その情報の壁を取り払い、推測ではなく実際のデータに基づいて、より適切なマッチングを促進しようという意図があると考えらられます。
共有される具体的なデータとは?
では、具体的にどのような情報が共有されるのか、気になる点かと思います。「かなり詳細なデータまで渡されるのでは?」とご心配になるかもしれません。
共有されるのは、主に3種類の集計されたデータです。
チャンネルの統計情報
チャンネル登録者数や総再生時間、視聴回数といった、基本的なチャンネルのパフォーマンスデータ。
場所 | 指標 |
YouTube アナリティクス |
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チャンネル ホームページ、またはクリエイターからの直接提供 |
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視聴者のユーザー属性
視聴者の性別、年齢層、そして上位の地域といった、視聴者層のデータ。
場所 | 指標 |
YouTube アナリティクス |
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ショッピングのパフォーマンス
もしショッピング機能を使っている場合は、その商品がタグ付けされたコンテンツのパフォーマンスや、そこからの収益実績なども含まれます。
場所 | 指標 |
YouTube アナリティクス |
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個々のタグ付けされた動画 |
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ショッピングの売上実績まで共有されるとは、かなり具体的ですね。ただ、これも大事な点ですが、これらのデータは個々の視聴者を特定する形ではありません。あくまでチャンネル全体の傾向を示すデータとして共有されます。
Google が提供している、ブランドがクリエイターを探すための「クリエイターパートナーシップハブ」や、広告計画に使う「Google 広告インサイツファインダー」といったツールを通じて、安全な形で共有されると説明されています。プライバシーには配慮しつつ、チャンネルの価値を具体的に示せるようにするということです。
機能の利用方法と設定手順
では、この機能を使ってみたいと思ったら、どうすればいいのでしょうか。利用できるのは、まず YouTube パートナープログラム(YPP)に参加しているクリエイターです。
設定自体は非常に簡単で、パソコン版の YouTube Studio にログインし、[設定]の中にある[チャンネル]、さらに[詳細設定]タブに進むと、[チャンネル分析情報の共有]という項目が出てきます。このチェックボックスをオンにするだけです。とても簡単ですね。もちろん、いつでもオフに戻すこともできます。
利用する上での注意点
この機能は、あくまでチャンネル全体の集計データを共有するものです。特定の動画キャンペーンの成果だけをブランドと共有する「クリエイター主導の動画リンク」という別の仕組みがありますが、それとは違うものだという点も理解しておく必要があります。
収益機会が広がるというのは、クリエイターにとっては非常に魅力的です。ただその一方で、ご自身のチャンネルや視聴者に関する、かなり詳細なデータが外部の企業にどこまで共有されるのか、そのことにどれだけ納得感を持てるかがポイントになると考えられます。