YouTube 嫌われる絶対ダメな長い動画の特徴

YouTube 嫌われる絶対ダメな長い動画の特徴
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2023年12月01日 in YouTube

YouTube から動画が評価されるには「長い動画の方が有利」「再生時間が長ければ評価される」と思っていないでしょうか?実は、これは半分正解であり半分不正解でもあります。結論から言ってしまうと、長い動画で維持率が高いだけではダメだということです。むしろ、長い動画で維持率が高いからこそ YouTube や視聴者から嫌われる可能性もあります。

今回は YouTube や視聴者から嫌われてしまう長い動画について簡潔にお話いたします。以前ご紹介した YouTube のアルゴリズムの内容とも関連するので、もしまだご覧になっていない方や内容を忘れてしまった方は後ほどご覧ください。

「良い動画」の判断材料

YouTube から「良い動画だ」と判断される材料として、「平均視聴時間」や「平均視聴者維持率」があると言われています。

平均視聴時間が長い動画、つまり多くの時間視聴される動画の方が良い動画であり、途中で視聴するのを止めず最後まで観てもらえる動画の方が良い動画であるというものです。これは皆さん何度も聞いたことがあると思います。

YouTube が公開しているアルゴリズムの指標の一つに「継続して動画を視聴するか」があります。なので、長い時間視聴してもらえることや、途中で見るのを止めず視聴してもらえることはプラスの評価となるでしょう。できるだけ長い動画を作成し、維持率を上げるために努力されている方も多いですね。

しかし、アルゴリズムによって各動画がどのようにランキングされるかのシグナルは何百もあり、様々なシグナルが相互に作用していることを忘れてはいけません。最初に「長い動画で維持率が高いだけではダメ」と言いましたが、良い評価をされるために他に何が必要だと思いますか?

YouTube の公式ブログには次のことが書かれています。

「総再生時間が長いからと言って価値ある時間を送ったとは限りません」
「YouTube の開発陣は、ユーザーが時間をかけて視聴した動画に失望する姿を目にしたくはありません。」

この文章から分かるのは「視聴者が動画を視聴して最終的に満足したのか、価値のある時間を過ごせたのか」も重視しているということです。
視聴者が満足したか

あなたにも「長い動画を最後まで観たけど得るものがなかった、面白くなかった。」という経験がないでしょうか?これって、その動画に無駄な時間を過ごさせられた、貴重な時間を奪われてしまったことになります。話のオチが知りたくて最後まで観たけど、全然面白くなかった、期待していた情報が得られなかったということってありますよね。

動画が最後まで視聴されるように、様々なテクニックを駆使している動画はたくさんあります。例えば、動画のテンポ感の調整、効果音やテロップの挿入、最後まで視聴すれば自分が欲しい情報が得られると期待させるなどです。

テクニックが悪いわけではありませんが、視聴してもらった時間以上の価値を提供しなければ視聴者をガッカリさせることになります。視聴者維持率は悪くないのに、低評価やネガティブなコメントが多い動画やインプレッションが伸びない動画はありませんか?
視聴者維持率は悪くないのに再生されない

内容がスカスカな動画で満足できなければ低評価やネガティブなコメントの原因になりますし、その後あなたのチャンネルを観てくれなくなるかもしれません。

維持率が低くてもインプレッションされる

逆に、満足してもらって高評価やポジティブなコメントが常に付くような動画であれば、動画の長さが短くても、また維持率が低くてもインプレッションされ続け多くの視聴者に観てもらえる可能性があります。

例えばこちらのグラフを見てください。これは問題解決系の動画のアナリティクスですが視聴者維持率が6.7%しかありません。「全然ダメダメじゃん」「すぐに再生回数も止まる動画だね」と思われるかもしれません。
視聴者維持率が低い

確かに一般的に言えばダメな動画で、インプレッションされずに視聴されなくなる動画です。しかし実際のところはインプレッションされ続け、視聴回数もチャンネル登録者も右肩上がりとなっています。
チャンネル登録者が右肩上がり

この動画では問題解決手段をたくさん紹介していますが、多くの人が解決できる手段を真っ先に提示しています。維持率を上げることを考えれば、最初ではなく中盤から後半に提示した方が良いでしょう。

でもそれでは、視聴者の時間を余分に奪ってしまうことになります。この動画で視聴者が求めているのは、早く問題を解決することです。早く解決してもらうために、多くの方が解決できる手段を最初に提示したに過ぎません。結果的に、多くの高評価やポジティブなコメントが付き評価されています。

これは維持率だけで評価されるわけではないことを示すための一例なので、維持率を無視しても良いと言っているわけではありません。維持率や再生時間は YouTube から評価される判断材料の一部で、重要であることは間違いないです。維持率も視聴者の満足度を測る指標の一つです。

しかし、これらの数値だけで判断されているわけではないので、クリエイターもこれらの数値だけで動画の良し悪しを判断するのは良くありません。

動画視聴後のコメントや高評価・低評価をしたのか、共有や保存をしたのか、チャンネル登録をしたのか、同一チャンネル内の他の動画も視聴したのか等、様々な視聴者の行動も判断材料となります。
動画視聴後のエンゲージメント

また現状では、YouTube を再生時間や視聴者維持率を重視していると言われていますが、今後も今と同じ様に重視するとは限りません。重視する内容は今までも変わってきていますし、今後も変わっていくでしょう。もし再生時間や維持率の数値ばかり気にして動画を作成していた場合、ちょっとしたアルゴリズムの変化でインプレッションされなくなる可能性もあります。

最近、時間対効果(タイムパフォーマンス)を重視する人が増えていると話題になっています。タイムパフォーマンスは、使った時間に対してどのくらいの効果や価値を得られたかを測るものです。

クリエイターとしては自分の動画を長く観てもらいたいと思うわけですが、視聴者の貴重な時間を使って観てもらっていることも意識しなければなりません。

長い動画であれば尚更、その時間に見合った価値を提供しなければ、視聴者からタイムパフォーマンスが悪いと判断され嫌われることにつながってしまいます。つまり、動画の長さよりも視聴者が求めている情報を提供し、視聴者の貴重な時間を無駄にしないように価値を提供することが重要です。

もし長い動画を作成していて、内容は悪くないにも関わらず視聴者からの反応やインプレッションの伸びがイマイチなのであれば、長さを少し短くし、提供する価値の密度を上げてみるのも一つの手段だと思います。

YouTube に評価してもらうために動画の長さを決めるのではなく、視聴者が最大限満足してもらうために最適な長さがどれくらいなのかを考慮しながら動画作成を行えると良いですね。