【YouTube 新機能】再生数依存は終わり。個人クリエイター必須「コミュニティ」

【YouTube 新機能】再生数依存は終わり。個人クリエイター必須「コミュニティ」
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2025年06月13日 in YouTube

YouTube に新機能が実装されました!チャンネル運営が今までと大きく変わる可能性があります。クリエイターにとっても、視聴者にとっても YouTube の未来を左右するほど重要な新機能だと思います。

個人クリエイターが取り残されないように

最近、YouTube の環境って大きく変わってきましたよね。企業やプロが巨額の予算を投じて、テレビ番組のようなクオリティの動画を次々と投稿しています。毎日投稿されるクオリティの高い動画の波に、「自分だけ取り残されてしまうんじゃないか…」「情熱だけでは、もう通用しないのか…」 そんな風に、焦りや不安を感じているクリエイターの方も、きっと少なくないはずです。

今回お話しする新機能「コミュニティー」は、そのような時代の、私たち個人クリエイターにとって最強の武器になります。私たちのチャンネルとファンの皆さんとの繋がりを、もっと深く、面白くし、チャンネルのあり方そのものを変える可能性を秘めています。

今回はこの新機能「コミュニティー」が一体どんな機能なのか、有効にする方法、無効にする方法、そしてなぜ今この機能が重要なのか、活用事例も含め深く掘り下げて解説します!

コミュニティ機能ってどんなもの?

まず新機能の「コミュニティ」がどのようなものかご紹介いたします。

コミュニティは「チャンネル専用の、ファンと繋がれる特別な SNS」です。チャンネル内に X(旧 Twitter)のような、クリエイター以外もコンテンツを投稿できる場所です。

今までも「投稿」という機能がありました。投稿機能ではクリエイターが文章や画像、アンケートなどを投稿できるものですね。一方で新機能のコミュニティでは、クリエイターだけでなく、視聴者も文章や画像などを投稿できます

当チャンネル「イズクル」でもコミュニティを有効にしてありますので、どのようなものか確認になってみてください。現状では、スマホの YouTube アプリからしかコミュニティを開くことができません。YouTube アプリからチャンネルページにアクセスしていただき、[コミュニティにアクセス]ボタンを選択してください。
コミュニティ機能

新機能「コミュニティー」3つのポイント

今までの YouTube では、コミュニケーションが「クリエイター→ファン」という一方向になりがちで、ファン同士の横の繋がりが生まれにくかったです。それを解消できるのが「コミュニティー」です!

ファン主導で会話が始まる

これが最大の変化であり、最も大きなポイントです! これまではクリエイターが話題を投げかけるのが中心でしたが、「コミュニティー」では、ファン(視聴者)が自由に会話をスタートできます!

写真や投稿をシェアしたり、質問を投げかけたり、ファン同士で直接交流したり…! これは、クリエイターが常にコンテンツを供給しなくても、コミュニティが自律的に活動し、成長していくことを意味します。

最初はファンが自律的に投稿していくのは難しいかもしれませんので、クリエイターが呼び水となるような話題を提供することは必要だと思います。

いつでも繋がれる専用の交流スペース

「コミュニティー」は、私たちのチャンネルページから直接アクセスできる「専用の部屋」のようなものです。 個別の動画に縛られることなく、好きなトピックについて会話を続けることができます。これは、ファンの熱量を一過性のものにせず、継続的なチャンネルとの関わりを作ることができます

帰属意識が生まれる

ファンがスペースを盛り上げてくれることで、同じものが好きな仲間たちが集い、学び、情熱を分かち合える、温かい一体感が生まれます。この「帰属意識」こそが、ファンを本当の意味での「コアなファン」へと変える重要なポイントになります。

なぜ今「コミュニティー」が必要なのか?

ここで、もう少し踏み込んで、なぜ YouTube が今この機能を導入するのかを考えてみます。

なぜコミュニティが「生き残りの鍵」なのか?

冒頭でも触れましたが、今、YouTube はプロの参入による「クオリティ戦国時代」に突入しています。個人クリエイターが動画の制作費やクオリティだけで勝負するのは、非常に厳しい戦いです。

では、どこで戦うのか? 答えは「ファンの熱量」です。

どれだけ面白い動画でも、一方的に消費されるだけでは、どこか虚しさを感じませんか?私たちが本当に求めているのは、再生数や登録者数という数字の先にある、ファン一人ひとりとの、血の通った繋がりのはずです。

クリエイターの人柄に惹かれ、同じものが好きな仲間と繋がり、そのチャンネルに「所属している」と感じてもらう。この強固なコミュニティこそが、資金力だけでは作れない、個人クリエイター最大の資産になります。

YouTube 自身もそのことを理解しており、クリエイターと視聴者がより深く交流することを、プラットフォームとして公式に後押しし始めたと感じます。「コミュニティー」は、そのための戦略的なツールです。

クリエイターエコノミーの進化

今や誰もがクリエイターになれる時代です。企業の参入も増えてきました。その結果、チャンネル数は爆発的に増え、ライバルは数え切れないほどいます。そんな中で、全ての動画で常にたくさんの視聴回数を獲得し続けるのは、正直なところ限界がありますよね。

だからこそ、再生数に左右される広告収益だけに依存したチャンネル運営は、非常にリスクが高いと言わざるを得ません。

こうした背景から、YouTube 側も、クリエイターが広告収益だけに頼らず、多様な方法で収益を得られる「クリエイターエコノミー」の構築を強力に推進しています。皆さんもご存知の通り、スーパーチャットスーパーサンクスチャンネルメンバーシップグッズ販売など、様々な収益化機能がありますよね。

熱量の高いコミュニティは、これらの収益化手段と非常に相性が良いです。なぜなら、より親密になったファンは、クリエイターを「応援したい」という強い気持ちを持ってくれます。その結果、メンバーシップに加入してくれたり、スーパーチャットを送ってくれる可能性が高まるのです。

「コミュニティー」は、不安定になりがちな広告収益を補い、チャンネルの収益を安定させるための土台となります。

【活用事例】すでにこんな変化が起きている!

実際にテスト導入されていたチャンネルでは、すでに素晴らしい変化が起きているようです。

  • フィットネスチャンネルでは…
    今まで見るだけだった視聴者の女性たちが、自身のトレーニングの様子を写真で投稿!お互いに質問したり、励まし合ったりして、目標達成を助け合う素敵なコミュニティが生まれたそうです。
  • 料理チャンネルでは…
    クリエイターのレシピに挑戦したファンが、作った料理の写真を次々に投稿!成功も失敗もシェアしながら次の動画の企画会議をしているそうです。

正直なところ、この新しい機能をどう使えばいいか、私自身もまだ手探りです。皆さんはどのように活用しますか?「私のチャンネルならこんな企画で盛り上がりたい!」「ファンとこんな話がしてみたい!」など、皆さんのアイデアを、ぜひコメントで教えてください。

デメリット・注意点

便利でユニークな機能ですが、いくつか注意点もあります。

管理の手間が増える

視聴者が自由に投稿できるため、不適切な投稿がないか定期的にチェックする必要があります。明らかに攻撃的な文章や不快な文章は、YouTube 側のフィルターによって弾かれると思いますが、スパムや誹謗中傷などへの対応が必要になるかもしれません。やはり、このようなコミュニティを作る機能は管理するのが面倒になることが考えられるので、躊躇する方が多いと思います。

コミュニティが荒れるリスク

残念ながら、心ない投稿によってコミュニティの雰囲気が悪くなってしまう可能性はゼロではありません。クリエイターとして、どのようなコミュニティにしたいかというルールを事前に示しておくことが大切です。

コミュニティ機能を有効にする方法

YouTube Studio から有効にすることができます。

[コミュニティ]のページから[視聴者の投稿]タブを開きます。このように[オンにする]ボタンがありますので、選択しましょう。
コミュニティ機能を有効にする

このコミュニティ機能を有効にする手順ですが、現時点(2025年 6月時点)では、まだすべてのチャンネルで利用できるわけではありません。徐々に展開されるため、まだ有効にできなくても焦らないでください。

また、チャンネル登録者数が何人以上といった具体的な利用条件は、公式のヘルプページにも記載されていません。チャンネル登録者が100人程度のチャンネルでも有効にできるものがありましたので、おそらく登録者数による制限は無いのかなと思います。

次に[設定]>[コミュニティの管理]から[コミュニティの投稿]を確認してください。「視聴者の投稿」がオンになっていて、「管理」というのがありますが、ここで不適切な投稿を保留にするかの設定ができます。
視聴者の投稿

また現状では「投稿できるユーザー」が[チャンネル登録者]のみになっています。「必要なチャンネル登録期間」では、どれだけの期間チャンネル登録している人は投稿できるのかを選択できます。現時点だと1日か1週間のどちらかを選択できます。

コミュニティ機能を無効にする方法

コミュニティ機能は、有効にした後でも YouTube Studio の設定からいつでも無効にすることができます。運用してみて、管理が難しいと感じた場合は、オフにすることも可能です。

先ほどご紹介した[設定]>[コミュニティの管理]から[コミュニティの投稿]を再度ご確認ください。「視聴者の投稿」を[オフ]にすることで無効にすることができます。
コミュニティ機能を無効にする

この機能を使うかどうかに関わらず、クオリティの高い動画が溢れる今の時代だからこそ、私たち個人クリエイターが輝ける道は、ファンを大切にし、唯一無二のコミュニティを育てることにあります。この機能は、そのための手段の一つです。

執筆者情報
2004年から当サイト「iscle」を始めた管理者。Google 公認のプロダクトエキスパートとして、YouTube、Google AdSense、Play の公式コミュニティで活動中。スマホアプリ、Web ツールの使い方や最新情報を中心に発信しています。