『自動広告』成功事例!Googleのイベントで紹介した内容まとめ

自動広告で収益は上がるのか
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2021年03月22日 in アドセンス
記事内にPR・広告が含まれる場合があります

こんにちは、Google AdSense 公式ヘルプコミュニティ エキスパートの竹中です。

2018年5月に Google でアドセンスのイベントが行われました。その際に『自動広告の成功事例』という内容で皆さんの前でスピーカーとしてお話をさせていただきました。同様の内容を別撮りした動画が Google AdSense 公式チャンネルで公開されましたのでご紹介したいと思います。

Google 収益化スペシャリストのカイさんのパートと私のパートがあります。カイさんからは自動広告の概要や設置方法、パフォーマンスをトラッキングする方法など自動広告でよくある質問への回答などをお話されています。「自動広告ってどうやって導入すればよいの?」と思われている方などは是非カイさんのパートをご覧ください。

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自動広告の成功事例

『自動広告』成功事例

私のパートでは実際に自動広告を使用してみて収益が上がったのか、またどのような注意点があるのかなどをお話致しました。このページでは私のパートの動画内容を文字起こししたものをご紹介致します。

自動広告の良いと思うところ

自動広告の良いと思うところはたくさんありますが、私自身が使用してみて特に良いと思うところは3つあります。まず「手動設置と併用ができること」「AMP でも設置ができること」、そして「収益性を高められる可能性があること」です。

アドセンスに慣れている方であれば、ご自身のサイトで収益性が高い広告スペースがどこかお分かりになっていると思います。そのような方であれば、必ず広告を設置したい場所には手動で設置し、その他をアドセンス側に任せることが可能です。

また最近注目されている AMP にも対応しています。AMP の場合は通常のページよりもカスタマイズが手間だったり難しかったりします。広告の設置にも苦労されている方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。しかし AMP に対応した自動広告があるおかげで、AMP での収益化も手間なく行うことが可能です。

さらに最適な広告を最適な場所に設置してくれることによって、サイトの収益性を高められる可能性があります。

収益は上がるのか?

自動広告で収益は上がるのか

さて、本当に自動広告を使用することで収益が上がるのかと疑問に思われている方もいらっしゃると思います。今回私自身も自動広告を使用し、収益性が高まるのかを検証してみましたのでシェアいたします。

その前に、「アドセンスの自動広告を導入してみて、収益が上がったか下がったか」のアンケートを Twitter で行ってみました。
ユーザーの反応

収益が上がったという方が 21 %、下がったという方が 16 %、自動広告を使用していないという方が 63 %という結果になりました。

投票数が多いわけではないので正確な統計データと言えないかもしれませんが、自動広告のことが多くの方の中で話題になった割に使用していないという方が多くて驚きました。もしかしたらまだ様子を見ている方も多いのではないかと感じています。

また収益が下がったという方も 16 %いらっしゃったのですが、もしかしたら自動広告の使い方が良くなかった場合もあるのではないかと思います。今回この点についても触れたいと思います。

導入サイト iscle

まずは私が自動広告を導入したサイトは当サイト iscle[イズクル]です。Web ツールやアプリの紹介、アドセンスに関する情報を提供しているサイトで、モバイルユーザーが 61 %、PC・タブレット ユーザーが 39 %です。またモバイルユーザーの中でも 82 %が AMP で閲覧されています。

このサイトで使用した自動広告の広告フォーマットは「インフィード広告」「記事内広告」「モバイル全画面広告」と「AMP 自動広告」です。

導入当初は「テキスト広告とディスプレイ広告」も使用していましたが、サイドバーに 300x600 のラージスカイスクレイパーが連続で2つ表示される状態になったので今はオフにしています。関連コンテンツは手動で設置しているのでオフにしてあります。またモバイルページのフッターにSNSボタンを固定表示させているため、アンカー広告が重なることがないようにオフにしてあります。

RPM の比較

自動広告の導入前と導入後の RPM を比較したものがこちらです。収益額ではなく RPM で比較しているのは、PV の増減による影響を取り除くためです。
RPM の比較

導入前の 2018.1.1 ~ 2018.3.7 の RPM を 100 としています。上から2つ目の棒グラフは、あえて収益性が高まる12月を入れたデータです。

自動広告を導入した後の 2018.3.8 ~ 2018.5.16 は 107.9 と収益性が高まっていることが分かります。収益性が高まる3月をあえて外した 2018.4.1 ~ 2018.5.16 であっても 103.4 と導入前よりも RPM が高くなりました。

AMP 自動広告

もう少し自動広告によって収益が増えたという分かりやすいデータをご紹介します。

こちらの収益レポートは、AMP 用ページで手動で設置している広告のみの見積もり収益です。赤線を入れているところから AMP 自動広告を使用し始めました。自動広告を設置しても、手動設置からの収益が減っていないことがお分かりになると思います。
AMP自動広告導入前の収益

では次にこちらをご覧ください。これは AMP 自動広告からのみ発生した見積もり収益です。自動広告から収益が上がっていることが分かります。
AMP 自動広告からのみ発生した見積もり収益

自動広告を導入しても手動設置からの収益を減らさず、自動広告からの収益がほぼそのまま増えている状態になりました。AMP 自動広告のおかげで、AMP での収益性がかなり高まったという結果になりました。

導入サイト SQOOL.NET

次は SQOOL.NET さんという知人のサイトに協力してもらい、自動広告を導入してもらいました。ゲームの情報を提供しているサイトで、かなり多くのユーザーがモバイルからアクセスをしているそうです。このサイトは企業として運営されており、DFP もフル活用してアドセンス以外の広告ネットワークも使用されています。

自動広告の広告フォーマットは関連コンテンツとアンカー広告以外を使用してもらいました。

導入してみて

私のサイトではないため詳細な収益レポートを公開することはできませんが、自動広告を導入してみての感想などを伺いました。まず収益全体の約 10 %が自動広告からの収益となり、その中でもモバイル全画面広告の収益の割合が多いそうです。

「長い記事に自動的に広告が入るので、手動で設置する手間がなく、記事全体を収益対象にできる。」「ネイティブ風の広告の位置がランダムに入るのは、エンジニアでない運営者にとって良いですね。」という感想をいただきました。
ネイティブ広告が入っている様子

上図で右のスクリーンショットがネイテイブ風に入っている広告ですが、他のリンクとデザインに違和感なく入っているのが分かります。また DFP のコードを認識してくれるので、他社広告を使用している場合でも安心して使えるという意見もありました。

自動広告を使用する際の注意点

自動広告を導入する際の注意点もご紹介したいと思います。まず自動広告は必ずしも求めている場所に広告が設置されるとは限りません。ですからどこに広告が設置されているか、導入後はある程度ページを確認してみるのがお勧めです。

例えば「広告が連続で表示されていないか」「自動広告で表示されるアンカー広告が、上に戻るボタンなどに重なっていないか」。また「広告の上にドロップダウンメニューが重なっていないか」も確認しましょう。

他社広告・アフィリエイトを併用している場合

「自動広告を使用すると広告が多くなりすぎる」とおっしゃる方がいます。自動広告では手動設置のアドセンス広告や DFP を通して設置されている広告、また一部の広告ネットワークは検知できるそうです。

しかし現状では、全ての他の広告ネットワークのコードやアフィリエイト広告を検知して対応することができないようですので、広告が連続で表示されていないか、広告ばかりになっていないかを確認してください。

もしアドセンスの広告が多すぎると感じた場合は、広告掲載率を変更して調整してみてください。アドセンス管理画面[最適化]の[テスト]の中に[広告掲載率のテスト]がありますので、掲載率を変更したときの収益性への影響もテストしながら使用するのがお勧めです。
広告掲載率の変更

広告掲載率は自動広告のみを対象としているわけではありませんが、収益への影響を最小限に抑えつつ、ユーザーエクスペリエンスを高めることに役立ちます。

自動広告の導入で収益を減らさないようにする

また自動広告の導入で収益を減らさないようにするための注意点としては、手動設置で収益性が高い広告を外してしまわないことです。ユーザーの中には手動設置の広告を全て外して、全てを自動広告に任せたという方もいらっしゃいます。しかしこの場合、収益性が高い広告を外してしまうことでサイト全体の収益が減ってしまう可能性があります。

まずは、収益性の高い広告はそのままで、収益性の低い広告を外して自動広告に任せてみることをお勧めします。

自動広告を導入することで、今まで活用できていなかったスペースを収益化できるなど、サイトの収益性を高められる可能性があります。もしまだ導入していない方はぜひお試しになってみてください。