日本だけ iPhone が変わる!意外な新機能とメリット・デメリット

日本の iPhone だけ「特別な仕様」に変わることをご存知でしょうか?例えば、[サイドボタン]長押しの仕様などが変わります。
これは最近話題の「スマホ新法(スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律)」という新しい法律が本格的にスタートするためです。
「スマホ新法によって日本の iPhone だけ機能制限がかかる。規制される」と言った噂も流れていますが、スマホ新法は規制や制限をかけるための法律ではありません。むしろ、その逆です。「 Apple や Google といった特定の大企業が設けている縛りを撤廃し、私たちユーザーにとってもっと便利で自由な環境を作ろう」という法律です。
今回は、日本で変わる iPhone のポイントを分かりやすくご紹介します。※動画でも分かりやすくご紹介しています。
目次
サイドボタン長押しで Siri 以外の AI も選択可能へ

これまで、 iPhone の右側にある[サイドボタン](電源ボタン)を長押しすると、必ず Apple の音声アシスタント「 Siri 」が起動するよう設定されていました。他の AI を使いたくても、ロック画面から一発で呼び出すことはできませんでした。
これが、日本の iPhone だけ「自分の好きなパートナー」を自由に選べるようになります。 例えば、 Google のサービスを多用する方なら「 Gemini 」を選ぶことで、スケジュールの確認やメールの作成がよりスムーズになりますね。
また、スマートホーム機器をお使いの方なら「 Alexa 」を設定することで、外出先から家の家電を操作する際に、「 Siri を経由してアプリを開く」という手間がなくなります。自分にとって最も使い心地の良い AI を設定することで、 iPhone がより「自分仕様」のアシスタントへと進化します。
App Store 独占が終了?アプリ購入先の選択肢

今まで iPhone に新しいアプリを追加するには、「 App Store 」という青いアイコンの場所からダウンロードするのが唯一の方法でした。これは安全な反面、価格やルールはすべて Apple 一社が決めていました。
これにはメリットもとデメリットもあります。例えば…
App Store にあるアプリはすべて Apple の厳しい審査を通過しているため、ウイルスなどの危険性が極めて低いです。また、支払いは Apple ID に登録したカードなどで一括管理できるため、アプリごとにカード番号を入力する手間がなく、解約手続き(サブスクリプション管理)も一箇所で簡単に行えます。

一方で App Store のデメリットとしてあるのが「価格が高い」ことです。アプリ開発者が Apple に支払う「場所代(手数料)」が上乗せされていることがあるためです(例えば YouTube プレミアムの月額料金など、通常月額1280円なのに対し、iPhone ユーザーは30%割高の1680円に設定されています)。
また、 Apple の独自ルールに合わないアプリはそもそも置いてもらえないため、使いたくても使えない便利なサービスが存在しました。
これからは、携帯電話会社や大手ゲーム会社などが作る「別のアプリストア」からもアプリを入れられるようになります。 お店が増えることで「価格競争」や「サービス競争」が起きることが期待されています。
例えば、「このゲームの課金アイテムは、公式ストア経由だと10%安く買える」「携帯キャリアのストアでアプリを買うと、毎月の通信料に使えるポイントがたくさん貯まる」といった、ユーザーにとってお得な選択肢が増える可能性があります。
ブラウザや検索エンジンを「自分で選ぶ」時代に

iPhone を新しく買った時や、2025年後半以降の大きなアップデートをした後に、「どのブラウザ(ネットを見るアプリ)を使いますか?」「どの検索エンジンを使いますか?」と聞かれる専用の画面が出てくる可能性があります。
これまでは最初から当たり前のように「 Safari 」がデフォルトのブラウザとして設定されていましたが、これからは一覧の中から自分で好きなものを選んで設定することになります。
もしパソコンで「 Chrome 」や「 Edge 」を使っているなら、 iPhone でも同じものを選ぶことで、お気に入りや閲覧履歴をスムーズに共有できるようになります。「よく分からない」という方は、今まで通り使い慣れたものを選べば問題ありませんが、一度立ち止まって「自分に合うのはどれだろう?」と考える良いきっかけになりそうです。
欧州と違い「野良アプリ」は禁止のまま
「自由になる」と聞くと、「セキュリティが甘くなって、ウイルスが入るんじゃないか?」と心配になる方もいるかもしれません。実際、先行しているヨーロッパでは、 Web サイトから直接アプリをダウンロードできる仕組みも始まっていますが、これにはリスクも伴います。
しかし、日本のルールはここが違います。日本政府は「セキュリティ重視」の姿勢をとっており、 Web サイトからの直接ダウンロード(野良アプリの導入)は禁止のままです。
また、別のアプリストアからアプリを入れる場合でも、そこにあるアプリはすべて Apple による最低限の安全チェック(公証)をパスしている必要があります。つまり、「自由にはなるけれど、危険なアプリが勝手に入るような無法地帯にはならない」という、日本独自の安心設計になっているのです。
知っておくべき「手間」と「自己責任」
ここまで良い変化を紹介してきましたが、自由になることで少しだけ「面倒になること」や「気をつけるべきこと」も出てきます。
- 「選ぶ手間」が増える
これまでは Apple にお任せで済んでいた設定も、「どれを使いますか?」と自分で判断して選ぶ場面が増えます。「難しいことは分からないから決めてほしい」という方にとっては、最初の設定が少し負担に感じるかもしれません。 - アプリの管理が複雑になるかも
ゲームやツールごとに異なるアプリストアを使うようになると、「あのアプリはどこから入れたんだっけ?」と管理がバラバラになる可能性があります。アップデートの方法などもストアによって少し違うかもしれません。 - 「偽物」を見抜く目が必要
日本のルールでは安全性は守られていますが、有名なアプリに名前や見た目を似せた「偽物(コピーアプリ)」などが紛れ込むリスクはゼロではありません。これからは、ダウンロードする前に「本当に公式のものかな?」と確認する習慣が大切になります。
規制や制限されるわけではない!
日本だけ iPhone が大きく変わるわけではありませんが、「どの AI に手伝ってもらうか」「どこからアプリを買うか」を、私たちユーザーが自由に選べるようになります。便利になる一方で、「自分で選ぶ」ということが少しだけ増えるかもしれません。
「なんとなく」使っていた機能も、これからは自分のライフスタイルに合わせてカスタマイズできるようになります。今のうちから「自分はどのサービスが使いやすいかな?」と考えておくと、新しい iPhone の変化をもっと楽しめるはずです。

