実はGeminiで生成した画像・動画は商用利用ダメ?Nano BananaやVeo3も

実はGeminiで生成した画像・動画は商用利用ダメ?Nano BananaやVeo3も
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2025年09月24日 in Googleサービス
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Google Gemini(ジェミニ)では、文章だけでなく画像や動画も生成可能ですが、これら生成されたコンテンツは商用利用可能なのか疑問に思われている方も多いです。

例えば「Gemini に生成してもらった文章や画像を企業で使用しても大丈夫なのか」「画像などを販売しても良いのか」「利用できる範囲は?」など気になりますね。

Nano Banana による画像生成や Veo 3 による動画生成は、非常に多くの方から注目され、使用ユーザーも増加しています。

このページでは Google の利用規約に記載されている内容をベースに、Gemini で生成されたコンテンツが商用利用できるのか、商用利用可能な条件についてご紹介いたします。

なお、動画でも分かりやすくご紹介しております。

Geminiの利用規約で商用利用について明言されていない

実は、Gemini で生成されたコンテンツ(画像や動画・テキスト)は、現状では商用利用について利用規約等で言及されていません

関連するポリシーは「生成 AI の使用禁止に関するポリシー」です。この規約冒頭には次のように記載されています。

モデルを使用する際は、責任を持って、安全で、法律を遵守した方法でご利用いただきますようお願いいたします。
※有料版の Gemini AI Pro や Workspace をご使用になっていても同様です。

また、現状で適用はされていませんが、過去の「生成 AI の追加利用規約」では免責の中に次の記載がありました。

本サービスで提供されるコンテンツについては、ご自身の裁量で依拠、公開、利用してください。

つまり、どちらのポリシーでも「どのように利用するか」を含め、ユーザー自身で判断し、かつ自分の責任においてコンテンツを使用することが言及されています。

商用利用は禁止されていないが…

問題ないコンテンツなのか確認する必要がある

現時点のポリシーでは、Gemini で生成されたコンテンツの商用利用は禁止されていません。禁止されていないから OK だと断言はできないため、企業が商用目的で使用するのには不安だと思います。

例えば、Gemini で画像生成をしたり、Nano-Banana で画像を編集したりしたものを、商品素材や広告素材として使うような場合ですね。この点は商用利用が可能になる条件がありますので、後ほどご紹介いたします。

Gemini で生成されたコンテンツの商用利用は禁止されていませんが、少なくとも生成されたコンテンツの信憑性や法的な問題がないかはご自身で確認する必要があります

生成された文章に間違いがあるかもしれませんし、生成された画像が他者の権利を侵害するものかもしれません。例えば、生成された画像が、有名なキャラクターそのものであったり、似ていることもあるでしょう。そのような場合であっても、Google 側は責任を負いません。そのコンテンツを使用するか、どのように使用するのかの責任はユーザー自身で負うことになります。

このような規約は Google に限らず、他の多くのプラットフォーム(生成 AI サービス)でも言えることです。プラットフォーム側が「商用利用可能」としていることと、生成されたコンテンツが法律的・倫理的に問題ないこととは別です。

Nano Banana で商用利用可能な条件とは

今ご紹介してきたように、基本的に Gemini で生成されたコンテンツに関して、商用利用について明言されていないため使いづらさもありました。

しかし、9月12日に note に公開した「Gemini の Nano Banana で、画像生成をもっと楽しく、自由自在に!」の記事で、下記のように商用利用の範囲を明記しました。
Nano Banana の商用利用について

※ 広告利用含む商業利用でNano bananaを利用する場合は、Google Workspace with Gemini もしくは Vertex AI をご利用ください。

はい、少なくとも Nano Banana を商用目的で利用するには Google Workspace with Gemini か Vertex AI を利用する必要がありそうです。

Google Workspace with Gemini

Google Workspace は、個人で無料で使える Gmail や Google ドライブなどの機能を、ビジネス向けに強化し、高度なセキュリティと管理機能を追加した有料サービスです。主に企業が使う、有料版の Google アカウントと思ってください。現状、月額800円からのプランがあります。

Google Workspace を見る

GoogleWorkspace を利用しているアカウントでも、無料の Google アカウントと同様に Gemini を使用することができます。これは Google Workspace のアカウントで Gemini を開いた画面です。基本的に使い方なども同じです。
Workspace のアカウントで Gemini

通常の Google アカウントと同様に Nano Banana による画僧生成や Veo 3 による動画生成も可能です。この Google Workspace のアカウントで生成した画像であれば商用利用可能だということですね。

通常の Google アカウントで加入できる Google AI Pro / AI Ultra プランも有料ですが、AI Pro / AI Ultra と Workspace は異なります。有料プランに入っていれば商用利用が許可されているわけではないのでご注意ください。

Vertex AI

ほとんどの人が聞き慣れない Google のサービスに Vertex AI というものがあります。これは簡単に言ってしまえば、Gemini を含めた多くの AI モデルを使用できる開発者向けのツールです。
Vertex AI を見る

初めて登録する場合であれば無料で試すことも可能ですが、基本的には有料サービスです。AI をバリバリ活用する人や開発者でなければ、Vertex AI を使う方は少ないかもしれません。

ポリシーで禁止されている内容もある

「生成 AI の使用禁止に関するポリシー」では、Gemini を含む Google の生成 AI で禁止されていることが記載されています。

例えば、法律違反、ヘイトスピーチや嫌がらせ、危険な行為の助長、性的描写が露骨なコンテンツの作成、嘘やなりすましによる欺瞞(ぎまん)など、違法、有害、不誠実な目的で使用することはできません。

AI を使用する際は必ずご確認ください。

執筆者情報
2004年から当サイト「iscle」を始めた管理者。Google 公認のプロダクトエキスパートとして、YouTube、Google AdSense、Play の公式コミュニティで活動中。スマホアプリ、Web ツールの使い方や最新情報を中心に発信しています。