既存チャンネルも影響!YouTube収益化基準引き上げ&無効化条件

既存チャンネルも影響!YouTube収益化基準引き上げ&無効化条件
(YouTube, AdSense, Play 公認エキスパート)
2026年08月14日 in YouTube

YouTube の収益化基準が大幅に厳しくなることが発表されました。

「収益化基準の条件が2倍に厳しくなった」ということばかりが話題になっていますが、実は、注意しなければならないのはそこだけではありません。すでに収益化しているチャンネルを含めた「収益が受け取れなくなるリスク」と「収益化を維持するための新しい条件」が追加されたことです。これを知らないと広告収入が突然ストップしてしまう恐れがあります。

今回のアップデートで特に注意すべき点は3つです。※動画でも分かりやすく解説しております。

新規参加条件の大幅引き上げ

1つ目が、最も注目されている新規参加条件の大幅引き上げです。2027年2月1日以降、新たに YouTube パートナープログラム(YPP)に申請して広告収益を得るためのハードルが引き上げられます。

YouTube 収益化の新しい申請条件

YouTube 収益化の新しい申請条件

  1. 長尺動画の総再生時間が、過去365日間で4000時間から8000時間へと2倍に変更
  2. ショート動画の有効再生回数が、過去90日間で1000万回から2000万回へと2倍に変更
    ※単純な視聴回数ではなく、一定時間以上視聴された時にカウントされる「エンゲージビュー」が対象である点に注意。
  3. チャンネル登録者数は1000人のまま変更なし
エンゲージビューは YouTube Studio の[アナリティクス]>[コンテンツ]>[YouTube ショート]の画面で確認できます。

既存チャンネルと視聴者ファンディング枠への影響

ここで最も重要なのは、この基準引き上げが適用されるのは「2027年2月1日以降に新しく収益化に申請するチャンネルだけ」という点です。すでに YPP に参加して収益化しているチャンネルが、この変更によって収益化が無効化されることはありません。

また、もうひとつ見落とされがちなのが「視聴者ファンディング枠」の存在です。

YouTube では数年前に、「チャンネル登録者500人」+「長尺動画3000時間 または ショート動画300万回再生」で申請できる最初の収益化ステップ(拡充版 YouTube パートナープログラム)が導入されました。この参加要件は今回一切変更されません。
拡充版 YouTube パートナープログラム条件

つまり、メンバーシップや Super Chat、YouTube ショッピングなどを活用したファンからの直接収益化は、従来通り早い段階からスタートできます。

改定に対する視点の転換と YouTube の狙い

ネット上では「初心者の切り捨てだ」「参入障壁が高すぎる」といった感情的な意見も目立ちます。確かにそう感じますよね。このチャンネルでもアンケートを取ってみましたが、「厳しすぎる」という回答が半数以上でした。もし私も初心者の時にこの状況に直面したら焦っていたと思います。
参入障壁が高すぎる

しかし今回の改定は、単に壁を高くしたのではなく「広告収益に頼るなら一定規模以上の再生数を求める代わりに、初期段階では視聴者ファンディングでビジネスの土台を作らせる」という YouTube 側の意図と捉えることができますね。

ショート動画の広告収益に関する「1000万回維持」の壁

次に、すでに収益化しているクリエイターも含めて大きな影響を与える、ショート動画の新しいルールについて解説します。

2027年2月1日以降、ショート動画から広告収益を受け続けるには、「直近90日間で1000万回の有効なショート動画視聴回数(エンゲージビュー)」を維持することが必要になります。

今までは、とりあえず収益化さえしてしまえば、その後はショート動画から収益を得続けることができました。しかし2027年2月1日以降は、1000万回というハードルを維持し続ける必要があります。

1000万回を下回った場合の影響と誤解

このルールに関して、非常に多くの誤解が生じています。「1000万回を切ったら収益化が剥奪されるのではないか」と不安に思っている方が非常に多いのですが、そうではありません。

直近90日で1000万回を下回った場合でも、YPP 自体から除外されるわけではありません。長尺動画の広告収益やメンバーシップなどのファンファンディング機能はすべて有効なまま維持されます。長尺動画の広告収益にも影響しません。

ストップするのは「ショート動画の広告収益分配」だけです。そして、再び1000万回再生を達成した時点で、手動の手続きなしで自動的に収益分配が再開されます。

もしショート動画で広告収益を得続けようとするのであれば、継続的にしっかりと投稿を続ける必要があります。

新たなインセンティブプログラムの導入

さらに、YouTube は1000万回に届かないクリエイター向けに、広告分配以外の新しいインセンティブプログラムを順次導入することを公表しています。

具体的には、YouTube ショッピングの達成ボーナスや、企業案件向けの制作クレジット、トレンド発信に対する収益ブーストなどです。

また「ターゲットを絞った YouTube ショート広告」という仕組みも注目されています。

これは、広告主が「このチャンネルに広告を出したい」と、5つ以下のチャンネルのグループに絞って広告を出した場合に適用されます。対象となったクリエイターは、その広告枠から発生した広告収入の45%を直接受け取ることができます。

この収益は、通常のショート動画でみんなが分配して受け取る広告収入とは別に「上乗せ」される形で支払われます。

つまり、これからは「広告主から信頼されて、広告を出したいと思われるような、質の良い動画投稿やチャンネル作り」が今まで以上に大切になってくるということですね。

非アクティブチャンネルの収益化無効化と新維持条件

次にアクティブではないチャンネルの収益化無効化と収益化維持条件の変更について解説します。

今回の改定で、新規申請の基準引き上げ以上に注意しなければならないのが「既存チャンネルのアクティブ維持条件」です。放置されているチャンネルや更新頻度が極端に低いチャンネルに対して、収益化を無効化する基準がより明確になります。

従来ルールと実体験

実はこれまでも、YouTube のヘルプページには次のように明記されています。

「動画のアップロードまたは[投稿]タブへの投稿が6ヶ月以上行われていない場合、収益化が無効になる場合がある」

この条件があることをご存知でしたか?

実際に私自身も、過去に別で運営していたチャンネルで数ヶ月間更新をストップしてしまった際、この条件が適用されて収益化が無効化された経験があります。当当時の私は「しばらく放置していても大丈夫だろう」と軽く考えていたのですが、ある日突然通知が届き焦りました。

非アクティブと判断される新しい基準

今後この条件がさらに具体化され、次のいずれかを満たしていないと「非アクティブ」とみなされるようになります。

  1. 過去365日間で長尺動画において1000時間の有効な総再生時間がない
  2. 過去90日間で100万回の有効なショート動画の視聴回数(エンゲージビュー)がない
  3. 90日ごとに長尺動画2本 または ショート動画5本のアップロードがない

上記のどれかひとつでも満たしていればアクティブと判断されますが、すべて下回ってしまうと非アクティブの判定を受けます。

90日間の猶予期間と復帰基準

ただし、非アクティブの判定を受けた瞬間に収益化が剥奪されるわけではありません。今回の改定ではクリエイターの救済措置として90日間の猶予期間が設けられます。

この90日間の猶予期間中に、次のいずれかの基準を達成できればアクティブ状態に復帰できます。

  1. 過去365日間で長尺動画において1000時間の有効な総再生時間を達成する
  2. 過去90日間で100万回の有効なショート動画の視聴回数(エンゲージビュー)を達成する

この猶予期間内に条件をクリアできない場合、最終的に収益化が無効化されてしまいます。それほど厳しい条件ではありませんが「完全放置でも自動でお金が入ってくる」という運用は厳しくなるわけですね。

今後目指すべき3つの運用視点

ここまでの改定内容を踏まえて、今後私たちがどのように YouTube チャンネルを運用していくべきか、3つの視点から考えてみたいと思います。

AI による動画量産戦略の危険性

基準が厳しくなったから、その分動画作成を AI で効率化しようと考える人が出てくるかもしれませんね。しかし、このやり方はおすすめできません。量産された独自性のないコンテンツは収益化審査を通過できない可能性が非常に高いためです。効率化は大切ですが、単なる量産に頼る手法はリスクが高くなるだけです。

ショート動画への取り組み姿勢

ショート動画の広告収益維持に「直近90日で1000万回再生」という条件が加わったことで、適当な投稿で広告収入を得続けることは不可能になりました。ショート動画で収益を上げたいのであれば、明確な企画と質の高い動画を投稿し、真剣に取り組む必要があります。

ライバル減少によるチャンスの拡大

今回の基準改定は一見すると厳しい内容ばかりに見えますが、実は真剣にチャンネルを運営しているクリエイターにとっては大きな追い風になり得ます。適当に運営していただけの競合や放置チャンネル、質の低い量産アカウントが淘汰されるためです。そうなれば、その分だけ真剣に価値あるコンテンツを提供しているチャンネルに広告収益の分配が集中する可能性があります。

執筆者情報
2004年から当サイト「iscle」を始めた管理者。Google 公認のプロダクトエキスパートとして、YouTube、Google AdSense、Play の公式コミュニティで活動中。スマホアプリ、Web ツールの使い方や最新情報を中心に発信しています。