【YouTube CEO 公開】2026年の傾向!新しい原則とクリエイターガイドも

YouTube から「新しい原則」と「クリエイターガイド」が公開されました!また、YouTube の CEO であるニール・モハン氏が、2026年に向けたレターを公開しました。もうご覧になりましたか?この中には、YouTube がこれから数年かけてどこを目指し、私たちの生活やクリエイターの活動をどう変えていくのかを示す、極めて重要な内容が記されています。
今回は、CEO のレターにある 4つの大きな優先事項を軸に、内容の重要な箇所を分かりやすく解説していきます。
※動画でもご紹介しております。
目次
1. エンターテインメントの再定義
1つ目の優先事項は、エンターテインメントという概念そのものの再定義です。ここで最も注目すべきは、YouTube が UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)と一括りにする時代は終わったと記載している点です。

これまで、クリエイターが作る動画は「ユーザーが趣味で作ったもの」として、プロが作る映画やテレビ番組とは区別されてきました。しかし、YouTube はその境界線がすでに消滅したと断言しています。
クリエイターは単なる「投稿者」ではありません。独自の脚本を書き、撮影し、編集し、ファンと交流する。それは一つの独立した制作スタジオのようなものです。
皆さんが毎日、工夫を重ねて作り上げている動画は一部の流行ではなく、今の文化や皆さんの考え方を作る中心的な存在になっているということです。「自分の動画なんて趣味の延長だ」と謙遜する必要はありません。YouTube 自身が、皆さんの努力と創造性をプロフェッショナルなものとして認めたということです。
この変化を裏付ける驚異的な数字があります。YouTube ショートの再生回数は、現在 1日あたり平均で2000億回を超えています。この数字は、短い時間で新しい世界に出会いたいという視聴者の純粋な欲求を表しています。
テレビでの視聴が当たり前に
しかし、YouTube の進化はスマホの中だけにとどまりません。実は、最も成長している視聴環境は「リビングルームのテレビ」です。
アメリカでは3年連続で、YouTube がテレビ画面におけるストリーミング全体の視聴時間で1位を独占しています。視聴者は、スマホでショート動画を楽しんだ後、テレビの大画面でクリエイターの動画やポッドキャストを家族と一緒に視聴するというスタイルを確立させています。これはアメリカだけではなく、日本でもテレビでの視聴が増えています。
YouTube は、この「リビングルーム体験」をさらに向上させるため、テレビ向けアプリの使い心地の改良や、より高品質な映像配信への投資を加速させています。
ショート動画フィードの変化
さらに、視聴体験をより多様にするため、ショート動画のフィードには新しい試みが導入される予定です。動画だけでなく、画像やテキスト、クイズなどの要素が直接ショートフィードに流れ込むようになります。これにより、皆さんは動画という枠を超えて、より親密に、より多角的に視聴者の皆さんと触れ合うことが可能になります。
2. 次世代のための「質の高いコンテンツ」
2つ目の優先事項は、子供やティーンエイジャーにとって世界で最も安全で、かつ有益な場所にするという決意です。
「自分は子供向けの動画を出していないから関係ない」と感じる方もいるかもしれませんが、YouTube は子供から大人まで、誰でも視聴する可能性がある場所です。YouTube は、若い世代が安全にインターネットを利用できるよう、常に保護機能の強化に取り組んできました。特に注目すべきは、13歳以上のティーンエイジャー向けに導入された「管理機能」のアップデートです。
ショート動画オフも可能

成長過程にあるティーンエイジャーには、自立を促しつつも保護者が緩やかに見守ることができる仕組みが必要です。新しく導入された機能では、保護者が自分のアカウントと子供のアカウントをリンクさせることで、子供の視聴状況を確認したり、アップロードした動画に対する通知を受けたりすることができるようになります。
近年、YouTube は未成年者への配慮に非常に注力しています。例えば、時間を忘れて楽しんでしまうショート動画。私の息子も、ずっとショート動画を視聴しているのが悩みの種です。同じように悩む親御さんも多いのではないでしょうか。
今後、保護者は子供がショート動画を1日のうちで視聴できる時間を「0分」に設定することも可能になります。つまり、ショート動画を視聴できないように設定できるということです。これは、子供たちの健康的な生活を守るための大切な選択肢となりそうですね。
「子どもの安全」ポリシーによる動画削除

また最近、「子どもの安全」というポリシーを理由に、動画が削除される事例が相次いでいます。大切に育ててきた動画やチャンネルが突然制限を受けるかもしれないという不安は、クリエイターの皆さんにとって計り知れないものだと思います。「一生懸命作ったのに、どうして」と悲しい気持ちになりますね。しかし、これには非常に重要な背景があります。
まず、欧米諸国においては日本と比較しても、子どもの権利を保護し、その安全を確保しようとする意識が極めて強く社会に浸透しています。YouTube はグローバルなプラットフォームであり、その基準も世界レベルの非常に厳しい視点で設定されています。
たとえ大人向けの動画のつもりでも、おすすめ機能を通じて子供が目にするかもしれません。どのようなジャンルの動画であっても、「もし自分の大切な子供がこれを見たらどう思うだろうか」という視点を持って、安全性を必ず確認するようにしてください。
子どもの安全に関するポリシーを深く理解し、遵守することは、皆さんのチャンネルを長く守り、視聴者の皆さんとの信頼を築くための、最も大切な手段となります。
質の高いコンテンツの原則
また、YouTube はクリエイターに対しても、若い世代に向けた「質の高いコンテンツ」とは何かを明確にするための新しい指針を発表しました。公開された「質の高いコンテンツの原則」は、専門家チームと連携して策定された 5つの要素で構成されています。
- 喜び、楽しさ、エンターテインメント: 共感できるユーモアやポジティブな人間関係を捉えた本物のコンテンツ。
- 好奇心とインスピレーション: 新しいトピックへの好奇心を刺激し、興味の芽を育てる。
- 関心を深めて視点を掘り下げる: 知識を深め、趣味につなげることで意欲を高める。
- 生活スキルと人生経験を身につける: 現実的な経験を通じて自信を育み、挑戦をサポートする。
- 信頼できる情報で心身の健康をサポートする: 専門的な情報を取り入れ、責任を持って青少年を支える。
これらは、子供たちが楽しみながら学び、自信を持って成長できる環境を作るための土台となります。皆さんの動画が、どこかの子供たちの夢や希望に繋がっているかもしれないと考えると、素敵なことだと思いませんか。
質の低いコンテンツの原則
一方で、YouTube は「質の低いコンテンツ」についても非常に明確な指針を設けています。これは、単発の視聴では問題がないように見えても、多感な時期にある子供たちが繰り返し目にすることで、心に影を落としてしまう可能性がある内容を指します。
具体的には、理想的な体型との比較を煽るなど偏った基準を植え付けるもの、危険な行為を正常なものとして描写するもの、いじめやヘイトなどの敵意を煽るもの、富を一攫千金のように美化するもの、そして攻撃的で威圧的な行為です。
例えば、大人がかくれんぼで車の下や洗濯機の中に隠れる動画を想像してみてください。大人は「これは危ない」と分かっていても、それを見た子どもは「自分もやってみよう!」と真似をしてしまい、重大な事故に繋がる恐れがあります。子どもには、まだ何が本当に危険なのかを正しく判断する力が備わっていないからです。
3. クリエイターエコノミーの拡大
3つ目の優先事項は、世界最強のクリエイターエコノミーをさらに発展させることです。皆さんが自分の情熱を仕事に変え、安心して活動を続けられるよう、YouTube は支援を惜しみません。
YouTube パートナープログラムを通じて、過去 3年間だけで約10兆円を超える報酬が支払われてきました。最新のデータでは、その額はさらに膨らんでいます。これは世界的に見ても、これほどまでに大きな経済のつながりは、他に例がないほどなのです。
YouTube クリエイターが世界経済を動かす

YouTube は単なる動画サイトではなく、世界中の人々に雇用を生み出す「経済エンジン」です。
一つの人気チャンネルが成長すれば、そこには編集者やマネージャーなど、多くの仲間の雇用が生まれます。皆さんの活動は、今や国を支える大切な「産業」となっているというわけです。
今後も、広告以外の収益源をさらに増やしていくことに力を入れます。視聴者の皆さんが動画から直接商品を購入できる[ショッピング機能]の拡充や、ファンの方から直接支援を受けられる[ファンファンディング]の強化、順次企業とのブランド案件をより円滑に進めるためのマッチングツールの提供などです。
特にショッピング機能については、視聴者の皆さんがお買い物を自然に楽しめるよう、よりスムーズな使い心地へと進化しています。これにより、景気や広告の状況に左右されにくい、より安定した活動基盤を手にすることができるようになります。まだ日本に導入されていない機能も多いですが、皆さんの活動がより豊かになるよう、早く導入されることを期待したいですね。
4. AI 技術による創造性の解放と責任
最後の優先事項は、AI (人工知能)の活用です。これは 2026年に向けた最大の変革要素です。YouTube は AI を、クリエイターを助け、皆さんの創造性を爆発させるための「心強い味方」として位置づけています。
CEO が掲げる AI アプローチは、「創造性の強化」と「コミュニティの保護」の 2本 の柱から成り立っています。
創造性の面では、すでに多くのツールが動き出しています。例えば、多言語への自動吹き替えツールも進化しており、皆さんは言葉の壁を超えて、瞬時に世界中の視聴者に自分の想いを届けることが可能になります。
先日、韓国で開催された最大規模のクリエイター向けイベントに参加してきました。私も登壇者の一人として YouTube についてお話しさせていただく機会があったのですが、そこで出会ったクリエイターたちの熱量には本当に圧倒されました。特に印象的だったのは、チャンネルを設計する段階から母国語だけでなく「いかに世界中の視聴者に動画を届けるか」を当たり前のように考えている方が非常に多かったことです。

また、AI についても単なる効率化の道具としてだけではなく、視聴者に動画内容をより分かりやすく伝えるための大切な手段として活用していく重要性を、多くの方が語られていたのが印象的でした。「AI を使いこなすことで、もっと面白いものを届けたい」という前向きな姿勢に、私自身も勇気をもらいました。
主役は人間であるクリエイター
昨年末の 1ヶ月間 だけで、100万 以上のチャンネルが AI 制作ツールを活用していたということです。明らかに AI は、私たちの動画制作を支える身近な存在になりつつあります。
一方で、コミュニティを守るための「責任ある AI 」の構築にも YouTube は真剣に取り組んでいます。AI で作られたリアルな映像には必ずラベルを表示し、視聴者の皆さんが混乱しないようにします。また、自分の顔や声が無断で使われた場合に削除をリクエストできる仕組みも整備されました。
YouTube の指針は明確です。どれほど技術が進化しても、主役は常に「人間であるクリエイター」です。AI は、皆さんがより素晴らしい物語を語り、より広い世界とつながるための道具に過ぎません。この「人間中心」の考え方を守り抜くことが、AI 時代の YouTube における最優先事項です。
「人間中心」ではない、AI に量産させたような質の低いコンテンツは、先日話題になった「信頼できないコンテンツ」として収益化も剥奪される可能性が高いですね。
YouTube で活躍していきましょう
ここまで、2026年に向けた 4つの優先事項を見てきました。テクノロジーや視聴スタイルが変化し続ける中で、最も大切なのはクリエイター一人ひとりの情熱です。
AI などの新しいツールも、皆さんがより良いコンテンツを届けるための強力な武器になります。私自身も皆さんと共に、この新しい YouTube の未来で活躍できるよう精一杯頑張っていきたいと思っています。これからも一緒に YouTube を盛り上げていきましょう。


