またYouTube社員が明かしたアルゴリズム!視聴回数を増やす重要な戦略とは

また、YouTube の社員が最新のアルゴリズムについて話してくれました! 今回は、 YouTube について解説する海外の人気チャンネル「 Think Media 」が公開した、 YouTube 社員 Rene Ritchie さんへの最新インタビューを元に、2025年現在のアルゴリズムとコンテンツ戦略について分かりやすく解説します。
Rene Ritchie さんと言えば、聞き覚えがある方も多いと思います。以前下記ページの情報源となった YouTube 社員です。今回の内容は、こちらのページに付随することも含まれていますので、まだご覧になっていない方、内容を忘れてしまった方はぜひご覧ください。
また、このページ内容は動画でも分かりやすくご紹介しております!
目次
視聴回数の減少はアルゴリズムのせいではない?
まず、 YouTube の基本的な考え方は、昔から大きく変わっていません。それは「視聴者が見たいものを、いかに見つけやすくするか」ということです。そのための仕組みであるアルゴリズムは、近年ますます賢くなっています。
多くのクリエイターが「最近アルゴリズムが変わって再生数が落ちた」と感じることがありますが、インタビューによれば、原因は必ずしもアルゴリズムだけではないようです。
それ以上に、プラットフォーム全体の「生態系の変化」が影響しているケースも少なくありません。例えば、視聴者全体の興味が別の分野へ移ったり、特定のジャンルにクリエイターが集中し、一時的に動画がおすすめされにくくなったり、といった状況です。
AI は動画の「味」まで理解する時代へ
アルゴリズムは常に、新しい視聴者や新しい興味の対象を探しています。その精度を上げるために特に注目されているのが、 LLM (大規模言語モデル)の活用です。
これまでのアルゴリズムがタイトルやタグといったキーワードを「点」で捉えていたとすれば、現在の LLM は動画の中身、つまり文脈やニュアンスまでを「面」で理解できるようになった、と考えると分かりやすいでしょう。例えるなら、レシピだけを見ていた状態から、料理そのものの味や、どんな人が好みそうかまで分析できるようになったイメージです。
この進化は非常に大きく、「サルサダンスが好き」といった非常に具体的な好みを持つ視聴者に対しても、ピンポイントで動画をおすすめできるようになりました。
「視聴者ジャーニー」を設計し、ファンを育てる
インタビューで語られた内容の中でも、特に重要なのが「視聴者ジャーニー」という考え方です。これは、視聴者がどのようにしてチャンネルを見つけ、一つの動画を見た後に、次にどの動画を見るのか、その「流れ」を設計することの重要性を示しています。
例えば、検索やおすすめ経由である動画に初めてたどり着いた視聴者がいるとします。その動画を見終わった後に「次に何を見よう?」と迷わせないよう、道筋を示してあげることが大切です。
「この動画は入門編なので、次はこちらの応用編をどうぞ」「このトピックの全体像を話したのがこの動画です。次はこちらで個別の要素を深掘りしています」というように、関連性の高い動画へスムーズに誘導するのです。
この流れを設計することで、視聴者は自然と次の動画へ進み、連続視聴に繋がりやすくなります。結果として、チャンネル全体の再生時間や視聴者維持率が向上し、チャンネルの評価が高まるのです。
成功の鍵は「一貫性」
インタビューでは、世界的な YouTuber である MrBeast さんの例が挙げられていました。彼は、大規模で奇抜な企画や多額の賞金をかけたチャレンジ動画で有名で、日本で言えば HIKAKIN さんのような存在です。
彼のチャンネルは、サムネイルを見ただけで「きっと面白い企画に違いない」と期待でき、そしてその期待を裏切りません。この「期待通りの体験」を提供し続ける「一貫性」こそが、成功の鍵なのです。
もし、普段は真面目な解説をしているチャンネルが、突然雰囲気の違うバラエティ動画を投稿したら、視聴者は戸惑ってしまいます。これが「一貫性の欠如」です。
逆に一貫性があれば、視聴者は「このチャンネルなら、きっと面白いものが見られるはずだ」と安心して動画をクリックできます。これが信頼に繋がるのです。テーマ、コンセプト、サムネイル、編集スタイルなどに統一感を持たせ、あなたらしい世界観を築くことが、ファンを定着させる上で非常に重要になります。
とはいえ、「いつも同じような動画ばかりだと思われないか?」と心配になるかもしれません。もちろん、新しい試みはチャンネルの成長に不可欠です。大切なのは「バランス感覚」。チャンネルの核となる価値観は維持しつつ、その範囲内で少しずつ新しいフォーマットを試すなど、軸をブラさずに挑戦を続けることが理想的です。
本当に見るべき指標は「月間ユニーク視聴者数」
多くのクリエイターがチャンネル登録者数を追い求めがちですが、インタビューではそれよりも「月間ユニーク視聴者数」の方が、チャンネルの健康状態を知る上で重要だと語られています。
チャンネル登録者数は過去の実績の積み重ねですが、月間ユニーク視聴者数は「直近1ヶ月間に、実際に何人の人が動画を1回以上見てくれたか」を示す、よりリアルタイムな指標です。
過去の貯金額ではなく、今月のキャッシュフローを見るようなもの、と考えると分かりやすいかもしれません。今のチャンネルの勢いや健全性を測るために、ぜひ注目したい数字です。

YouTube はもう「飽和」している?答えは NO
「今から YouTube を始めても、もう飽和しているのでは?」という声もよく聞かれます。確かに競争が激しくなっているのは事実ですが、新しい人が入る余地がなくなったわけではありません。
大事なのは、他者と全く同じことをするのではなく、「あなたならではの視点や価値提供」を見つけることです。
例えば同じゲーム実況でも、プレイスタイルやトークの面白さ、あるいは特定の層に深く刺さるような専門的な解説など、何か一つでも「あなただけの強み」があれば、そこにチャンスは生まれます。
新規クリエイターにもチャンスが!
現在、YouTubeの発見・成長チームは、おすすめのトップにある1〜2枠を使い、視聴者が興味を持つ可能性のある、再生回数や登録者数の少ないチャンネルを積極的に紹介する実験を行っているとのことです。これによって、登録者数が1,000人未満や再生回数がわずかしかない動画でも、関連性の高い視聴者のフィードに表示されるケースがあります。
また、まだ日本には導入されていないベータ版の機能ですが、視聴者がお気に入りの動画を推薦できる「ハイプ」という機能がテストされています。これは、チャンネル登録者が少ないチャンネルほど獲得できる推薦ポイントが多くなるので、YouTube がチャンネルを始めたばかりのクリエイターにもチャンスを与えようとしていることがわかります。
成功への具体的な3ステップ
では、これからチャンネルを伸ばしていくために、具体的に何をすれば良いのでしょうか。インタビューでは、以下の3つのステップが紹介されていました。
- 実験(5〜10本)
まず、心から情熱を注げるテーマを見つけましょう。その上で、解説、 Vlog 、ショート動画など、様々なフォーマットを完璧を目指さずに5〜10本ほど制作し、試してみます。 - 分析
公開した動画のアナリティクスをしっかり確認します。特に「視聴者」タブのデータやコメント欄の反応から、どの動画が、どんな人に、なぜ響いたのかを分析します。 - 改善(意識的な反復)
分析結果を元に、反応が良かった動画の「価値のパターン」を見つけ、それを深掘りしていきます。一貫性を保ちつつ、常にもっと良くするにはどうすればいいかを考え、改善を繰り返します。これを「意識的な反復」と呼びます。
ただ繰り返すのではなく、ちゃんと考えて改善しながら繰り返すということが重要です。また自分の動画だけじゃなくて、同じジャンルで成功している他のクリエイターがなぜ成功しているのか、その要因を分析して学ぶことも、非常に有効だと話されていました。
やってみて、分析して、改善して、またやってみるっていうサイクルを回していくのが大事です。地味ですけど、それが一番確実な方法ではないでしょうか。
ショート動画の活用法
ショート動画の視聴回数の数え方が変わったという話がありましたが、視聴回数の変更についてはこちらでご紹介していますのでご覧ください。
ショート動画は、新しい視聴者にチャンネルを知ってもらうための強力なツールです。目指すべきは、ショート動画をきっかけに、本編である長尺動画へと誘導する流れです。
しかし、ただ「続きは本編で」と言うだけでは、なかなかクリックしてもらえません。ショート動画の中で魅力的なストーリーを語ったり、核心に触れそうで触れない「未解決のループ」を作ったりするなど、視聴者が、「え、この続きめっちゃ気になる!」って、思わずクリックしたくなるような、そういう工夫が必要になってきます。
ショートはショートでちゃんと完結させつつ、短い時間で視聴者の心を掴んで、さらに わけですね。これは一朝一夕でできることではないので、これも「意識的な反復」によって試行錯誤が必要です。
YouTube アルゴリズムの本質とは
ここまで様々な戦略を見てきましたが、アルゴリズムが目指しているのは、結局のところ「視聴者の満足度の最大化」です。
だからこそ私たちクリエイターは、アルゴリズムの変動に一喜一憂するのではなく、「どうすれば視聴者に満足してもらえるか」「どうすれば良い視聴体験を提供できるか」という本質にもっと集中すべきだと言えます。
最後に、あなたに一つ問いかけをさせてください。
「あなたのチャンネルは、視聴者に一貫してどんな感情を届けたいですか?」
「元気が出る」「新しい発見にワクワクする」「心が落ち着く」など、コンテンツを通じて届けたい中核となる感情です。その答えが明確になれば、数字だけでは測れない、視聴者との深く長い関係性を築くための、大切な指針になるはずです。